+--June 29, 2008--+
「探偵大杉栄の正月」典厩五郎

「探偵大杉栄の正月」読了。実在の人物を使った探偵小説、なかなか楽しませてもらいました。
ストーリーは、お金に困っていた大杉のもとに、幼なじみにして長年の喧嘩相手である刑事から、企業家夫人の失踪事件の調査依頼が来る。何か思惑があるに違いないと思いながらもお金のために引き受けると、これに国家を脅迫するペスト菌ばらまき事件まで絡んできて、さあこの謎を解くことができるかどうか、、といったもの。
竹久夢二、石川啄木、松井須磨子といった実在の有名人が脇役で登場するのも楽しいです。史実との折り合いがどうこう(と言うほど私には知識がないんだけど)というより、皆小説内でいきいきしていて、、いやそれは嘘だな、竹久夢二なんて全然さえない男として描かれているんだけど、それがまたそれらしくって、楽しめるんですよ。難を言えば、ちょっと登場人物が多すぎて誰が誰だかわからなくなりそうなのですが、半分読んだところで最初から読み直してどうにかクリアしました(笑)。
でも、この明治後期を描いた小説は純粋に楽しんでばかりもいられないと思うところがあって、いつのまにかキナ臭い法律が成立しちゃったり、広く国民が知ったらおかしいと思われるに違いないことが目立たぬように進行しちゃうところなんかは、今の世の中と似ているようにさえ思えてしまうんですよね。
二度と同じ過ちを繰り返さないように、例えば昔の歴史を翻ってみたりして、今の世の中の流れを客観的に見ていかないといけないですね。
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