+--2008年07月12日--+

「古本屋探偵の事件簿」紀田順一郎


古本屋探偵の事件簿」読了。

神田の古本屋として、他との差をつけるのに「本の探偵−何でも見つけます」というコピーを掲げた古本屋「蔵書一代」の店主須藤康平。来た依頼は、本の探し方を知らぬ人が頼んで大した苦労もなく見つかるか、本に留まらずとてつもない人探し・歴史謎解きになるかの2ケース。さて、今回のケースは前者か後者か。。。

創元推理文庫の本ですが、本格ミステリーというよりは、ミステリーという形をとって愛書の世界を描いた小説といった方がよさそうです。謎解きとしては、実に都合よく関係者に出会えちゃったり、何かを発見できたりするんでね(笑)。

それより解かれた結果としての本や出版に関するあれこれがまあ面白い。私自身、本を所有することにはあまり興味がないものの、本・出版にまつわる因縁話などには興味あるってのもあるのですが、この小説の中に書かれている本筋とは関係ない書籍がらみのエピソードってたぶん本当の話を織り込んでいるんだと思うんです。数日前の記事で、「とにかく変わった人が登場しますが、本当にこんな人っているんでしょうか」と書いたけど、解説を読むとモデルとなっている噂話(紀田さん自身が直接見聞きしたわけではないけど、あたかも事実として広まっている)はあるらしいし。

偏執的にモノを収集する人というのは、傍から見ている分には楽しいけれど、一緒に済んだらちょっと辛いかもしれませんね(笑)。私も昔一緒に住んでいた人(6日前に長話に付き合った相手なんですけど 笑)が当時チョコエッグを集めていて、買ってはそこら辺に置いておくものだから、結局私が片づけました。バラバラの部品をちゃんと一匹ずつ袋につめて。購入するだけで満足して、購入後の扱いがぞんざいな人ってのは、本当に何なんでしょうね〜(笑)。

そうかと思うと、見せてこそ、の人もいて、紀田さんが解説対談で言うには「古本には二通りのタイプがあります。一つは古書売買を生業としているオーソドックスな古本屋。もう一つは愛書家から転身した古本屋」。それを捉えて、対談相手の瀬戸川猛資が挙げたのが小説内の一文「古本屋の棚にある本は、新刊書店とちがって、すべて店主のものである」。そうか、こういう古本屋はプライベートな本棚を覗かせてもらう心持で入っていかないといけないんですね。

あ、それで思い出した。前から気になっていたけど結局まだ入ったことがなかった、方南町駅から方南図書館への途中にある古本屋(たぶん)「書肆ひねもす」、ここ数ヶ月は営業時間のはずの時間に行っても閉まっているんですよね。雰囲気から察するに、まさに「愛書家から転身した古本屋」だと思うのですが、このままなくなっちゃうのかなあ。今のところ、閉まってはいるけど撤去はしていない風なんですが。やはり気になったお店はその場で入るべし、だなあとつくづくと感じています。

この記事へのコメント
1. Posted by ちびっこ    2008年07月25日 22:01
「ひねもす」
私も入るの迷ってるうちに、今の状態です。。。
気になりますねぇ
2. Posted by Takeni    2008年07月26日 00:43
ちびっこさん、はじめまして。

「ひねもす」、気になりますよね〜。
モノはあるから家賃は払っているんでしょうし、だとしたらいつか復活するつもりはあるのではないかと期待しているのですが。

あそこ、誰も入っていないとすごく入りにくかったけど(ですよね)、再開したら躊躇なく入ります(笑)!
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